難民認定制度の悪用 ~外国人就労の抜け道に~

その他

昨年度の難民認定の申請者は「1万人超」で、認定者は「30人以下」、でも認定が得られない方でも引き続き日本で就労することができています。

おかしな現象ですが、制度の不備を利用して、合法的に日本で働くことができている外国人の方が多くいます。

現在、この現状を是正するために法務省で「難民認定の運用」を厳格化する方向で検討に入っています。

2017年12月19日の日本経済新聞に掲載された記事を基に現状の課題と今後の報告について紹介します。

 

難民認定制度とは?

人種や宗教、政治的意見などを理由に母国で迫害を受ける恐れがある外国人を保護するために、日本での在留を認める制度です。

日本は欧米諸国などに比べて難民認定者数が少なく、認定基準が厳しいと言われています。

 

 

なぜ、この問題が生じるのか?

「難民認定を申請すれば日本で働けると解釈」されていることが挙げられます。

政府は「難民申請中」の外国人の日本での生活に配慮するために、申請6ヶ月後に一律に就労を認める運用を2010年から始めました。

申請が不認定になっても、異議申し立てや再申請を繰り返せば働き続けることができます(申請回数に制限はありません)。

これは合法的に日本にいられる抜け道です。

日本は外国人労働者へのビザ発給(日本で働くことができるお墨付き)には厳しい国の1つです。

政府の方針として、「単純労働者は受け入れない」というのが原則です。

しかし、現状では、人手不足のため、「技能実習制度」で外国人を労働力として活用している企業が多くあります。

当事務所にも、「3年の実習期間が終了するが、優秀な戦力のため何とかこのまま働かすことができないか」という問合せがあります。

当面の働き手をほしがる企業と単純労働の外国人労働者は受け入れないという政府の建前の間にあるギャップを埋める形で、難民申請が増えている可能性もあります。

 

 

どの国の方の申請が多いのか?(2016年実績)

1位:インドネシア(1,829人)*2014年は17人、100倍に増加

 ※申請はあっても2012年以降の難民の認定者はいません

2位:ネパール(1,412人)

3位:フィリピン(1,412人)

いずれの国でも、国内で難民問題が深刻になっているわけではありません

申請のほとんどが、就労目的というのが現状です。

 

 

どんな方が多いのか?

①「留学ビザ」からの申請:1,399人

②「技能実習」からの申請:1,106人

期限付きで来日したものの、期限が切れた後も日本で働くため、不法滞在にならないように難民申請を使っている手口です。

一応、合法的に日本で働くことができていることになっています。

技能実習の場合3年の期間(2017年11月から5年の制度も開始)があり、その期間終了後は母国に戻らなければなりません。

本来の技能実習の主旨では、母国に帰り日本で習得した技能を母国で発揮することになっていますが、

・母国で受け入れ体制ができていない

・日本の方が給料が高い

などの理由で、このまま日本で働いていたい外国人の方が多くいます。

希望を持って、(状況によっては多額の借入をして)、日本に来ても制度や環境の不備によって翻弄される外国人が最大の被害者と言えるのではないでしょうか。

 

 

今後の対応は?

審査の結果、「難民に該当しない」「同じ理由で何度も申請している」場合、日本での就労を制限するように運用を見直す方針とのことです。

例えば「日本で働きたい」「母国で借金取りに追われている」といった理由では就労を認めない対応を検討するとのことです。

外国人の方・日本の企業の立場で考えた場合、その対応で十分と言えるのでしょうか?

人手不足が益々深刻になる中で、外国人労働者の力はこれから益々必要になってくると思います。

「建前」と「現実」のギャップをよく分析して、抜本的に外国人の受入に関する制度の見直しをもう一段進める段階に来ています。

 

最後に、ある「ものづくり企業」に伺った際の社長さんの言葉を紹介します。

「人材派遣からの日本の若い者は3日で会社を辞める、外国人労働者(技能実習生)は3年働いてくれるので、戦力として組み込むことができる」

 

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