日本の生産人口の減少、高齢化により、労働力不足が深刻化しています。
企業の経営者の方とお会いすることが多くありますが、「必要な人材を確保できている」とお話する方はいません。
製造・建設の現場、販売・飲食の現場の労働力不足も深刻ですが、技術者や経営管理面のホワイトカラーの人材も不足しています。
これらの改善の一つとして、外国人の採用を検討する企業が増えてきていて、政府も受け入れに関して緩和する施策を打ち出しています。
今回、これらの動きを紹介しますが、今後、更にさまざまな施策が実施されると思いますので、労働力不足の対策として外国人の採用を考えている経営者の方は動向を注視して下さい。
また、知識不足や意図的に「採用できない外国人を紹介する」機関もありますので、受入に関しては当センターなどの専門家にお問合せ下さい。
法改正・制度変更による受入
*一部施行してから時間が経っているものもあります
① 建設業の技能実習経験者の受入
オリンピック関連施設の建設、インフラ施設の老朽化による更新・改修の増加などにより、建設業の仕事量が増えていますが、それに対応できる労働力が不足しています。
このため、これまで「技能実習生」として研修を受けた方を、再び採用できるという期間限定(オリンピックまで)の特例です。
詳細は以前に紹介していますので、参照して下さい。
https://fukuoka-visa-assist.com/news/818/
② 「介護」の技能実習の開始
平成28年11月の法改正で、本年(平成29年)の11月1日に施行されます。
従来の「技能実習制度」では、「介護」は含まれていませんでしたが本改正により介護も対象になりました。
この「介護の技能実習」については、今後別の投稿記事で紹介します。
③ 「介護」の在留資格(ビザ)の新設
平成28年11月の法改正で「介護」の在留資格(ビザ)が新設され、本年(平成29年)から運用されています。
「介護福祉士」の資格の取得が必要になり、そのため養成機関の専門学校等に通う必要があります。
新設・運用されたばかりですので、まだ体制が整備されていない状態ですが、今後「介護福祉士」の需要が増えるので、外国の送出し機関、日本の介護施設、介護の専門学校、日本語学校の連携がより重要になります。
詳細は次を参照願います。
https://fukuoka-visa-assist.com/news/504/
④ 製造業の子会社からの現場作業員の受入
海外に子会社の工場があり、そこで働く現場作業員の技能向上のために日本に呼び寄せて日本の工場で実習を行うものです。
詳細は次を参照願います。
https://fukuoka-visa-assist.com/news/764/
特区制度による受入
各自治体の状況により、特区制度により外国人の受入を特例として実施することが検討されています。
① 農業従事者の受入
長崎県が農業の人手不足を解消するために行うものです。
長崎県だけでなく、全国的に農業の従事者が不足していますので、広がっていくと思われます。
ただし、この流れは「外国人の単純就労者は受け入れられない」「技能実習制度の技術の海外移転」という建前を実質的に崩すものであり、今後の展開については様々な議論がなされています。
② 家事支援人材の受入
東京圏や関西圏の一部の都市で検討を進めています。
いわゆる「家政婦」として外国人労働者を雇い入れ、家庭の家事の負担を少なくして、女性の社会進出を促進するものです。
③ 創業人材の受入
外国人の創業を支援するもので、各特区で特色ある展開を行っています。
福岡市は「スタートアップビザ(外国人創業活動促進事業)」を開始しています。
「経営・管理」ビザの取得をし易くするための施策です。
福岡市の取り組みについては、別途、紹介します。
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