こんにちは!
福岡ビザ申請アシストセンターの藤崎です。
最近外国人に関連するビジネス(人材派遣、日本語学校、技能実習管理団体など)を
行っている方達とお会いすることが多くなってきました。
これらの方々が共通して今一番関心を持っているのは、
日本政府が先に発表した「新たな外国人材の受入れ」(仮称特定技能)についてです。
以下、先に発表された
「経済財政運営と改革の基本方針 2018」
~少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現~
所謂「骨太の方針」のうちの外国人材に関するものも要約です。
新たな外国人材の受入れ
中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており、
我が国の経済・社会 基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきている。
このため、設備投資、技術革新、働き方改革などによる生産性向上や国内人材の確保を
引き続き強力に推進するとともに、
従来の専門的・技術的分野における外国人材に限定せず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する必要がある。
このため真に必要な分野に着目し、移民政策とは異なるものとして、外国人材の受入れを拡大するため、
新たな在留資格を創設する。
日本は現時点では単純労働とみなされる仕事での就労ビザは認めていません。
単純労働とみなされる職種は、
・販売店のレジ作業、陳列の作業 ・清掃作業 ・運転手
・警備員 ・建築現場労働者 ・工場作業員
・飲食店での調理補助、ウェイトレス などです。
もし、これらの職種で外国人の方が働いているとしたら、
概ね身分系ビザの保有者(永住者や日本人配偶者等)か留学生(資格外活動許可)
又は技能実習生ということになります。
しかし、身分系はともかく留学生には週28時間以内という制限がありますし、
そもそも学業が優先されるべきです。
一方の技能実習は、日本で取得した技能を母国に持ち帰り
自国の経済の発展に繋げようとする趣旨で作られた制度です。
従って技能を取得後に帰国するというのが前提となっています。
実習期間は3年でしたが昨年の法改正で最長5年までとなりました。
技能実習法の基本理念は
「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」 です。
ところが実態は「労働力の需給の調整の手段」になっています。
考え方そのものに無理があったわけです。画像は5月20日付け西日本新聞のものです。
従って今回の「新たな外国人材の受入れ」(仮称特定技能)の新設には、
この矛盾を解消するという意味もあるような気がします。
新制度の内容を少し見ていくことにします。
一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れる新たな在留資格の創設
現行の専門的・技術的な外国人材の受入れ制度を拡充し、以下の方向で、
一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材に関し、就労を目的とした新たな在留資格を創設する。
受入れ業種
新たな在留資格による外国人材の受入れは、生産性向上や国内人材の確保のための取組(女性・高齢者の就業促進、人手不足を踏まえた処遇の改善等)を行ってもなお、当該業種の存続・発展のために外国人材の受入れが必要と認められる業種において行う。
当初、「建設」「農業」「宿泊」「介護」「造船」の5分野とされていましたが、
その後
「製造業の一部」「食品加工業」「漁業」などさらに10分野程度の拡大を検討しているようです。
期間
就労資格を得られるのは最長5年とするが、技能実習生として最長5年滞在した後、
新たな就労資格を得れば、10年にわたって滞在できるようになります。
企業からすれば長期雇用が実質的に可能になり、技術やノウハウの教育に力を入れられることになります。
求める技能水準及び日本語能力
技能水準は、受入れ業種で適切に働くために必要な知識及び技能とし、
業所管省庁が定める試験等によって確認する。
日本語能力水準は、日本語能力試験等により、ある程度日常会話ができ、
生活に支障がない程度の能力を有することが確認されることを基本としつつ、
受入れ業種ごとに業務上必要な日本語能力水準を考慮して定めることにしています。
日本語能力については、日本は今までどちらかといえば厳しめでしたが、
新制度ではやや柔軟に判断することにしているようです。
技能実習修了者の優遇
技能実習(3年)を修了した者については、上記試験等を免除し、
必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものとする。
日本での就労(実習)実績があるので当然ですよね。
家族の帯同及び在留期間の上限
外国人材の在留期間の上限は通算で5年とし、家族の帯同は基本的に認めないことにしています。
ただし、滞在中に一定の試験に合格するなどより高い専門性を有すると認められた者については、
現行の専門的・技術的分野における在留資格への移行を認め、在留期間の上限を付さず、
家族帯同を認めるなどの取扱いを可能とするための措置も検討するようです。
その他、外国人材に対しての生活ガイダンスの実施、住宅の確保、日本語習得、
相談・苦情対応などの支援を行う仕組みや適正な雇用管理を行うため、入国管理局等の体制を充実・強化するとしています。 (入国管理局を入国管理庁に格上げを検討)
新制度によって政府は2025年までに先に提示した5分野で「50万人超」受け入れを目指すとしています。
実施時期は2019年4月を予定、今後の動向には目が離せません。
当センターでも引き続き情報発信をしていきたいと考えています。
では、
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