「在留外国人」と「新型コロナ」(2)留学生の悲痛の叫び

代表者ブログ

テレビや新聞などのマスコミではあまり取り上げられていませんが、日本に在留する外国人に対して「新型コロナウィルス感染拡大」は大きく深刻な影響を与えています。

希望を持って日本に来て学んでいる留学生、また、これから日本に来る留学生も大きな影響を受けています。

 

<留学生の3つの課題>

1 授業が再開されない・入学が決まっても来日できない

2 飲食店などの自粛でアルバイトがなくなり学費・生活費が捻出できない

3 卒業しても母国に帰れない、そのため

  ・母国での就職ができない

  ・学生でなくなったのでアルバイト(資格外活動)ができない

 

 

授業が再開されない・入学が決まっても来日できない

現在、日本の大学や専門学校(日本語学校含む)に在籍して、この4月から次学年を迎える方や、日本語学校などを修了して、大学や専門学校に進学を予定していた方の多くが、授業が開始されなくて不安な日々を過ごしています。

また、入学が決まっていても日本に来れない、そのために「入学をキャンセル」するケースもあるとのことです。

3月に北九州市内の「日本語学校」を訪問した際は、「5月から授業再開」の予定でしたが、更に開始が遅れています。5月再開であれば、夏休みを大幅に短縮してカリキュラムを組めるとのことでしたが、遅れているので運営上かなり厳しい状況です。

また、「新規の入学生」や「一時帰国している在校生」が入国できない状況で、授業が再開できても学生を確保できないことも考えられます。

この対策として、「オンライン講座の開設」などの取組みを検討しているところがあります。

 

学費・生活費が捻出できない

留学生の大部分は、学費や生活費をアルバイト(資格外活動)で賄っています

今回の「新型コロナウィルス感染拡大」の影響で、「居酒屋などの飲食店」や「コンビニ」の来客数の減少で、働けなくなっている留学生が多く、学費の支払だけでなく生活費にも困っている方が多くいます。

今回、国の学生に対する救済策として、「学生支援緊急給付金」が公表され、留学生も含むとあったので、少しは足しになるかと思ったのですが、その支給要件は厳しいもので、成績が良いと認められるごくわずかな留学生しか該当しません。

日本人学生も「無利子奨学金を受けていること」などの要件があり、対象学生「約370万人」のうち支給を受けられるのは「約43万人」にとどまる(留学生も含む)。

安倍首相の肝いりで「留学生30万人計画」が推進され、昨年には目標を達しています。この計画により「日本語学校」が多く設立され、留学生が多く来日しました。現在、その留学生が窮地に追い込まれています。

ネット記事に掲載されていた「海外在住ネパール人協会の顧問のジギャン・クマル・タパさん」の嘆きを紹介します。

「とても恥ずかしいです。私は日本は制度的にはそうした差別のない国だと、多くのネパール人に伝えてきました。それを信じていたんです」「衣食を足りて礼節を知る、といいますが、足りなくても礼節は知るべきです。日本も財政的に苦しい立場にあることはわかりますが、ここまで差別することは決して許せることではありません」

 

卒業しても母国に帰れない

日本と他国の往来はほとんどできない状況です。

緊急事態宣言の解除で、経済活動は少しづつ動き出してきましたが、国際間の動きは少なくとも6月末までは現状のままで継続し、その後、段階的に移動規制が緩和されてくる方向のようです。

その中で、日本に取り残されて帰国したい「留学生(卒業生)」がいつ戻れるかの目処は立っていません。

 

母国での就職ができない

日本で留学して卒業した方の中には、「母国で就職が決まっている」方もいます。

今回、学校の3月の卒業式を出席してから母国に帰ろうとしていた方の多くが、帰国できない状態になりました。

また、母国に帰ってから就職活動(試験や面談)を行う予定だった方も多くいます。

今回の件で、面談などが白紙になったケースもあるとのことも報道されています。

 

アルバイトができない

帰国ができなくて、日本での生活資金のために学生時代のアルバイトを継続しようとしても、法律の壁で働くことができません。

学生のアルバイトとして認められていた「資格外活動許可」は、「留学」という在留資格に付随しているもので、卒業した時点で「留学生」でなくなってしまいますので、母体を失ってしまい、そのためアルバイトをすると法律違反になります。

「帰りたくても帰れない、働きたくても働けない」状態になってしまいます。

先号の「技能実習生」では、帰れない場合は特例として継続して就労できる暫定処置がありましたが、留学生に関しては現時点では対策は取られていません。

 

このように、今回の「新型コロナウィルスの感染拡大」は、留学生の「学業」「生活」に大きな影響を及ぼしています。感染拡大が終息しても影響は残り、留学生自体の今後の人生設計だけでなく、各学校の留学生への取組みの再検討が必要になってきています。

 

 

次回は、「外国人材の雇用維持」(厚生労働省からのお願い)に関して紹介します。

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