日本語学校経営ピンチ

留学生

2020年6月9日の日本経済新聞の記事を中心に紹介します。

「新型コロナウィルスの世界的な感染拡大」により日本語を学ぶ留学生が来日できない状況が続いています。

これによって、大きく3件に影響を与えています。

 1 日本語学校の経営への影響

 2 大学・専門学校への影響

 3 日本企業の労働力への影響

 

1 日本語学校の経営への影響

現在、日本語学校で今春に入学したのは当初予定の1割にも満たない状態で、学校によっては入学金、授業料が入らなくて経営が苦しくなっているところもあります。

オンラインで海外の入学予定者とつないで日本語の授業を行っている学校では、時差やインターネット環境の問題もあり、通常の日本の学校での授業と比べて進捗は3割程度とのことで、習得が遅いので、その結果やめる可能性もあるとのことです。

<日本語学校関連の団体の調査結果(回答:208校)>

・入学辞退者:1割

・入学待ち:8割(11,600人)

・1人も入学できていない:4割の学校

・経営面:3割が経営に支障がある

<(参考)2018年度の日本語学校の状況>

・日本語学校数:「506校」

・生徒数:「約102,000人」(5年前に比べて倍増)

 *現在は入学遅れで「約60,000人」

現在の「新型コロナウィルス感染拡大」、これによる海外との往来の制限の状況では、秋の入学にも支障が出て、1学年分が空白になる可能性があります。

財政面が弱い日本語学校では撤退も視野に今後の対応を検討するところも出てくると思います。

 

2 大学・専門学校への影響

留学生の多くは、日本語学校で日本語を学んだ後に、大学・専門学校に入ります

日本語学校を卒業した後の進路を次に示します。

最初の日本語学校の入学者数が減少すると、大学・専門学校の入学者数にも影響がでます。

学校の中には、日本の少子化で日本人の学生が集まらないので、外国人留学生にターゲットを絞っているところもあり、2年後に影響がでてきます。

日本語学校によっては、専門学校と一貫になっているところもあり、長年に渡りダメージが続いていくことになります。

 

3 日本企業の労働力への影響

新型コロナウィルス感染拡大の影響で直近では「人手不足」の話題が少なくなってきたと感じています。

また、仕事の減少、営業自粛などで、外国人労働者(技能実習生、アルバイトなど)が解雇されていることも報道されています。

一方、地方の製造業や建設業の中小企業では、日本の技術者が入社しないので、事業継続(技術の伝承)のために、外国人技術者を採用しているところも増えてきています。

海外展開を実施中、または計画中の企業にとっては、専門知識があり日本語もある程度話せる留学生は、現地との橋渡しとして魅力的な人材です。

日本学生支援機構の2018年度の調査では、外国人留学生の「約35%」が日本国内に就職していて、日本人の労働人口が減る中で貴重な戦力なっています。

また、コンビニ、飲食店や食品加工メーカーなど外国人留学生をアルバイトとして雇っている企業にとっても人材確保の面で支障がでています。

 

 

日本政府が2008年に掲げた「留学生30万人」目標は、2019年5月時点で「312,214人」と達成していますが、今年は減少に転じる可能性が高くなっています。

この「30万人目標」によって、多くの日本語学校が設立され、その中には学校とは名ばかりで、満足な日本語教育がなされていないところもあると聞いています。

今回の「コロナウィルス」を機会に、日本に来る留学生にとって、その後の就労などの人生プランも考慮して、教育内容を再検討する必要もあると思っています。

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