日本の大学は国際化するか?~求められる多様性の確保~

留学生

*2020年9月12日 日本経済新聞を参考に、教育機関、留学生の状況を紹介します。

 

2008年安倍内閣が「2020年留学生30万人計画」を打ち出し、それ以降、留学生の数が増え、昨年(2019年)には「31万人」を超え、数値的には1年前倒しで達成されました。*2020年は新型コロナウィルス感染拡大の面で減少が見込まれます。

当社でも、これまでメルマガで「留学生30万人」に関して触れて数値目標は示していましたが、その目的に関しては次の2点です。

 

留学生30万人計画の目的

1 日本の大学の国際化を推進し、

2 少子高齢化による人材不足の解決に寄与する

多くの国の留学生を招き、これによる教育カリキュラムの変革、異文化との触れ合いによる新たな価値の発掘などにより日本の大学の国際化を進め、国際感覚を身につけた人材を育成し、

・国際社会(グローバル)で活躍できる日本人を増やす

・日本に残る外国人は、日本の経済と社会を支える高度人材として活躍してもらう

・母国に戻った外国人は日本との橋渡しに寄与してもらう

 

現状の留学生・教育機関の状況はどうか?

上記の目的に関しては異を唱える人は少ないと思いますが、現状は目的と異なった面もあります。

 

出稼ぎ留学生増加

増加した留学生は大学・短大だけでなく、日本語学校、専門学校に多く在学しています。

10年前では、大学・短大に在籍する外国人留学生が多い状況でしたが、その後、日本語学校が多く設立され、その日本語学校の一部が専門学校を設け、留学生を囲い込む動きも見られます。

日本語学校・専門学校生の中には、勉強のためではなく、お金稼ぎのために日本に来た留学生も多くいます。また、それを斡旋する、いわゆる「ブローカー」の存在もあります。

1 就労目的の出稼ぎ留学生

2 留学生受入で定員充足を図る専門学校や営利優先の日本語学校

3 単純労働者の不足を留学生のアルバイトで解決しようとする企業

この三者の思惑と利益が結びつき「留学生30万人」の流れの中で留学生が増えてきた面もあります。

 

当社に「専門学校を卒業したけれど就職ができない留学生」の相談が多く入ります。中には定められた時間(週28時間)を超えてアルバイトをして「資格外活動違反」で留学期間が残っているにもかかわらず、在留資格(留学)の更新ができなくて国に帰される方もいます。

日本で専門教育をきちんと学び、卒業して、日本での就職先が決まり、高度人材の在留資格である「技術・人文知識・国際業務(技・人・国)」へ変更して、長く日本企業で働くのが本来の姿です。日本に来た外国人留学生の多くはこの姿を描いて、夢を持って日本に来ています。

しかし、多くの専門学校の卒業生は就職できないのが現状です。これは学校で学んだレベルが、日本企業が期待する高度人材のレベルではないからです。

当社ではこの場合、今後の方向性として「外食」「宿泊」「食品加工」の『特定技能』の取得を提案することがあります。ただし、この場合、5年間しか日本にいられないので長く日本で活躍したい方には本意ではありません。

 

日本の大学の状況 *特色を出している学校もあり

日本の大学で外国人留学生を受入れる目的として、

 1.日本の高度な教育を受けてもらう

 2.留学生が発信する多様性により大学の国際化を図る

一学年に数人の外国人留学生の場合は、2番の大学の国際化を図ることは難しいと思います。

「国際化」に取り組み、成果を上げている大学は少ないと思います。

新聞では、国際化が進んでいる大学として、次の4校を挙げています。

(1)立命館アジア太平洋大学(APU) *出口治明学長(ライフネット生命保険(株)創業者)

(2)京都先端科学大学 *永守重信理事長(日本電産会長兼CEO)

(3)国際教養大学

(4)国際基督教大学

APUと京都先端科学大学のトップは、起業家としても成功された方で、従来の大学とは異なった見方・発想で大学運営を行っていることを感じます。

 

立命館アジア太平洋大学(APU)

<APUの2030年のビジョン> *2015年に策定

「APUは世界に誇れるグローバル・ラーニング・コミュニティを構築し、そこで学んだ人たちが世界を変える」

これはAPUで学んだ学生が世界中に散らばって、自分の持ち場を自分で見つけ、自分のやりたい仕事にチャレンジし、行動して、世界を変えていくという壮大なビジョンです。

約6,000人の学生のうち、約半数が外国人留学生、約100の国や地域から学生が集まっています。

新聞に紹介されていた本を購入しました。*内容は読後に別途紹介します

「ここにしかない大学 APU学長日記」 APU学長 出口治明著 

2020年5月25日発行 日経BP社

 

 

広島大学がアメリカの大学を構内に誘致 

*2020年9月21日 日本経済新聞

広島大学はアメリカのアリゾナ州立大学(ASU)の「サンダーバードグローバル経営大学院の海外キャンパス」を2020年10月に東広島キャンパス内に設置することを決めています。

2021年の8月から学生を受入れます。日本の高校生らに加え、国内外、特に東南アジアのインターナショナルスクール生の入学を想定しています。

初年度定員は1学年「35人程度」ですが、3~4年後には「250人程度」を目指しています。

<広島大学の狙い>

1 広島大学の国際化を一気に加速できる

2 ASUから経営革新のノウハウを吸収して、国立大学の新しい経営モデルを形成する

 ・資金獲得力、マーケティング力、敷地の有効活用の手法など

3 ASUの授業料からの還元

★ 地域(東広島市)と連携し新しい街づくり『タウン・アンド・ガウン構想』

 

 

 

当社は、「外国人材の企業への紹介」及び「在留資格の取得(入管手続き)」の支援を主な業務としています。

今回の「新型コロナウィルス感染拡大」の影響もあり、外国人材の活用(外国人材・企業ともに成り立つ方法)について見直す必要があると考えています。

この本をはじめ、各種の情報収集(各機関のヒアリング)を進めて、今後のビジョンを考えていきたいと思っています。

 

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