外国人材の就労状況:専門性×定着性で見る

就労ビザ申請

日本で就労する外国人材の分類について、2020年10月19日の日本経済新聞で、「専門性」と「定着性」の2軸で表したものが掲載されていましたので紹介します。

「専門性高い」「定着性高い」領域

この領域は、「高度人材」と言われ、多国間で人材の取り合いが起こっている領域です。

大学等の卒業者で「技術・人文知識・国際業務」で長く企業や学校に勤めて、「永住権」を取得した方等が該当します。また、専門性が高い方(学歴・収入等でポイント制)には「高度専門職」の在留資格を与え、短期で「永住権」を取得できるようにしています。大学の教授や大手企業の幹部や研究員が該当します。

特に最近は「IT人材」「金融人材」の面が注目されていて、日本が他国に人材獲得競争で負けている領域です。例えばインドの優秀なIT人材はアメリカに、香港の金融人材を日本に呼ぼうとしても待遇や税金の面で他国に流れています。

新型コロナウィルス感染拡大や移民政策の変更の影響で、国によっては「自国民優先」で外国人を排除する動きもあります。アメリカは大統領選挙の結果によりますが、IT技術者が取得するビザの発給に制限を加える動きもあります。

日本にとっては、優秀な外国人材に来て定着してもらうチャンスではありますが、「在留資格を得るための複雑な制度」、「日本人に対して外国人を税金面などで優遇できない」などの点で進展していないのが現状です。

 

「専門性低い」「定着性低い」領域

この領域は「技能実習生」や「留学生のアルバイト」が担っている現場作業員です。昨年(2019年4月)からは、この領域に「特定技能1号」が加わりました。日本人が集まらない、あるいは定着しない業務で慢性的に労働力不足の状態です。農業、製造業・建設業の現場、食品加工、外食業、コンビニなどです。

介護に関しても現状でも要員不足、今後は高齢者の増加により更に不足することが予測され、外国人材の活用が期待されています。

今回の「新型コロナウィルス感染拡大」により、この領域は様々な影響を受けました。

 

<宿泊業>

海外からの旅行者がなくなったのに加え、国内旅行の自粛により経営面では壊滅的な影響を受けています。

これまでは、清掃・ベッドメーキング・調理などで人手不足が深刻で、外国人の採用を積極的に検討していましたが、「コロナ」の影響で外国人の採用は止まっています。

「go to トラベル」などにより、国内旅行者は回復しつつありますが、海外からの観光客が戻らない状況では外国人材の採用は凍結が続くと思われます。

そのため、「観光関係の学科」で学んでいる留学生にとっては、日本国内の就職活動の見直しが必要になります。

<外食業>

国内留学生が「外食業の特定技能」の資格を試験で得て、飲食店、特に全国展開のチェーン店に就職する件が進行していましたが、「コロナ」の影響で雇用することができなくて、4月以降に就職する予定の方が働けない状態も生じています。

「go to イート」などにより、回復の兆しもありますが、まずは日本人の採用が優先され外国人材の本格採用には時間がかかるものと思われます。

<コンビニ>

一部のコンビニは「外国人留学生のアルバイト」で成り立っていましたが、繁華街の人の往来が少なくなってきて売上が落ちたことにより業務量が減少し、そのため人員削減を行い留学生が職を失うケースもでています。

また、外食業で働いていた日本人がコンビニで働くケースもあり、外国人の働き口は減少しています。

<飲食品製造業>

特定技能1号の採用が最も進んでいる業種です。2020年6月末時点では、特定技能1号「全体:5,950人」中「2,094人(35.2%)」を占めています。ほとんどが技能実習生からの変更です。

この業種は「コロナ」の影響を受けていないため、継続して人手不足の状況が続いています。

まだ新規の技能実習生が十分に入ってこれない状況なので、しばらくの間は人手不足が継続します。

<農業>

新規の技能実習生を予定していたところでは、「コロナ」の影響で人手不足が深刻です。今回、技能実習で他の職種から「農業」への変更が暫定措置で認められていますが、手続きが複雑で時間がかかる等の理由で活かされていません。

<介護>

介護は、特定技能で最も人材を確保する計画で、海外での試験に力を入れてきました。フィリピンでは1,400人を超える合格者(2020年3月時点)がいましたが、「コロナ」の影響でほとんどが来日できていない状態です。また「コロナ」の影響で、「デイサービス」「訪問介護」など接触が多いサービスで売上が減少し、経営が厳しくなっているところもあります。

現在はまだ混乱が続いていますが、高齢化の加速もあり介護従事者の不足が続いていくので、今後は「特定技能」の人材は増えていくと思っています。

介護施設によっては、「外国人材の活用」を積極的・系統的に進めているところもあります。

 

以上のように、この領域で働く方は、景気の動向に大きく影響を受けます。今回の「コロナ」をきっかけに「IT技術」を取り入れた生産性向上(省人化)の動きも一部では見られます。

 

 

外国人材の今後の活用の検討

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、日本だけでなく、各国とも「外国人の受入れ」「自国民の送出し」に関して見直しが迫られています。

冒頭に示した図は、国として考える面はありますが、各企業でも外国人材の活用について検討する際に使うことができます。

まずは現状分析を行い、事業計画の見直しを行い、

その中でどのような人材が必要なのか?、

外国人材をどのように位置付け活用していくか?

を考えてみることをお勧めします。

 

 

 

 

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