昨年(2020年)12月に2019年(平成元年)の留学生の就職状況について、出入国在留管理庁から公表されていますので紹介します。
留学生から就職目的の申請数と許可数の推移
38,711人の申請に対して、30,947人が許可されています(許可率:79.9%)。
許可人数は、前年の25,942人よりも、5,005人増加しています。
国・地域別の許可数
中国が最も多いですが、最近の留学生の増加が大きい「ベトナム」と「ネパール」の増加率が高くなっています。
許可後の在留資格
「技術・人文知識・国際業務」が「28,595人」で全体の「92.4%」を占めています。
今回の集計には、留学から特定技能への変更は人数が少ないので含めていませんが、今後、「留学から特定技能」への変更は増えていくことが予測されます。
就職先での職務内容
翻訳・通訳が「11,745人(23.2%)」次いで、海外取引業務「5,783人(11.4%)」、法人営業「5,457人(10.8%」の順で、文系の業務が上位を占めています。
その後に、「情報処理・通信技術」「技術開発(情報処理分野以外)」の技術系の業務が続いています。
最終学歴
大学を卒業した者が「12,799人(41.4%)」と最も多く、次いで専修学校(専門学校)を卒業した者が「9,992人(32.3%)」の順となっています。
また、大学院において修士号または博士号を授与された者が「6,417人(20.7%)」と、大学を卒業した者と合わせると全体の「62.1%」を占めています。
採用した会社の規模別の推移
従業員数50人未満の企業等に就職した者が「11,525人(37.2%)」と最も多く、これを含め100人未満の企業等に就職した者が「14,937人」と全体の「48.3%」を占めています。
小規模の会社ほど人手不足が深刻で外国人材に頼る現状が示されています、
就職先企業等の所在地
東京都に所在する企業等に就職した者が「13,763人(44.5%)」と最も多く、次いで大阪府「3,213人(10.4%)」、神奈川県「1,939人(6.3%)」の順です。
福岡県は「929人(3.0%)」で6番目です。
今回の集計は、「新型コロナウィルスの感染拡大」の影響を受ける前です。平成2年の状況では、留学生の日本での就職が一時的に減ることが予測されます。
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