飲食店での外国人材の活用

現在(2021年6月)、新型コロナウィルス感染拡大(コロナ禍)による緊急事態宣言の発令、これに伴う時短・休業要請により飲食業の経営環境は厳しくなっています。

コロナ禍以前の飲食業業界は、人手不足が深刻で、留学生のアルバイトを多く活用していました。これでも人手不足が解消できないので、2019年からは「特定技能人材」を積極的に活用する動きがありました。そのため、弊社にも、大手の外食チェーン店の特定技能人材の活用の件の入管への手続きの相談が入っていました。

コロナ禍の終息後は、コロナ禍とは形は変わると思いますが、外食業に活気が戻り、再び、人手不足の問題が浮上してくると考えています。その時に備えて、テイクアウト、通信販売を含めて事業形態をどうするか事業形態(ビジネスモデル)に合わせた人材確保をどうするか、準備を進めておく必要があるかと思います。

今回、人材活用の面で参考として、飲食業で活用できる外国人材について、弊社の支援事例も含めて紹介します。

 

1 中華料理店の調理人:在留資格「技能」

中国人の永住者の方から、中国の中華料理のチェーン店が日本に進出するので、その料理人を中国から呼び寄せたいとの話がありました。1号店の開店時に4人、2号店の開店時に2人、計6人の在留資格「技能」の取得の支援を行いました。

中華料理の調理人として、在留資格「技能」を得るには、「10年」の経験が必要になります。この10年の中には、調理学校で学んだ期間を含むことができます。ただし、「中華料理」で10年の経験があっても「フランス料理」や「ベトナム料理」のお店で働くことはできません。フランス料理店で調理人として働くにはフランス料理で10年の実務経験が必要です。なお、タイ人のタイ料理に関しては日本とタイの協定により「5年」の経験で良いことになっています。また、ベトナム人がフランス料理の経験が10年あれば、フランス料理の調理人として在留資格を得ることができます。

また、ラーメン店は中華料理ではないかと相談に来られる場合がありますが、中華料理のフルコースを提供するなど、本格的な料理を提供するところではないと許可は得られません。

 

2 日本料理店に「特定技能」人材

日本料理店(居酒屋に近い)から、特定技能の検定試験を受かったベトナム人を雇いたいとの相談がありました。ベトナムの方は、日本で、日本語学校、ビジネス専門学校を修了して、専門学校の履修内容での就職を希望していましたが就職先が見つからず、専門学校時代に取得した「外食業の特定技能」の資格で就職先を探していました。

日本人の従業員の定着が悪く、人手に困っていた日本料理店が、真面目で長く働く意欲があるということで今回採用に踏み切りました。

弊社では、特定技能の在留資格の取得支援とその後の「登録支援」を行うことで進めています。

外食業の特定技能は、次の表に示すように、外食業のほぼ全ての業務範囲に携わることができ、非常に活用しやすいようになっています。

先に示した中華料理店でも、調理助手として「特定技能」人材を雇い入れれば、中国から「技能」人材を呼び寄せる必要がないことになります。この点は、各料理店の考え方、運営の仕方で使い分けができると思います。

 

3 ラーメンチェーン店に高度人材「技術・人文知識・国際業務」

1店舗しかないラーメン店では、上記の「特定技能」人材を雇う可能性はありますが、大学や専門学校を卒業した方の在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得するのは難しいです。

アルバイトの中国人留学生をアルバイトでの仕事内容(調理補助、接客、食器洗いなど)で採用したいとの相談がありますが、この場合は該当する在留資格はないと申請の支援をお断りをしています。

弊社がご支援したところは、国内に複数店舗を持ち、海外への進出も検討されているところです。

そのため、日本の経済学部の大学を出た中国人を、店舗管理(集客のためのマーケティング、商品企画など)と中国進出の検討を目的に採用し、高度人材の在留資格を得ることができました。

このようにラーメン店でも、対象となる方の業務が明確で、その業務に適合する資質(学歴・経験)があれば、高度人材の在留資格を取得できる可能性があります。

 

 

4 焼肉チェーン店に高度人材「技術・人文知識・国際業務」

福岡県内に複数の店舗を持つ焼肉チェーン店から、東南アジアの自社の店の従業員を日本で雇い入れたいとの相談がありました。この場合、日本の店で、お客の対応や調理補助などの仕事はできません。

今回は、このお店が日本と東南アジア(母国)で「通信販売」も行いたいとの計画があり、今回の人材は、通信販売に関する知識(学歴・経験)と日本語能力(日本に留学)から業務をできると判断し、申請を行い、許可を得られました。

新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、事業内容の転換という面でも許可を得ることができました。

このように、先のラーメン店と同じように、料理店でも対象となる方の業務が明確で、その業務に適合する資質(学歴・経験)があれば、高度人材の在留資格を取得できる可能性があります。

 

 

「特定技能」制度の施行により、外食業では、「外国人材」の活用の幅が広がりました。コロナ終息後の外食業の復活に向けて外国人材の活用を検討する意味はあると思っています。

弊社は、入管への申請の支援だけでなく、特定技能の登録支援機関として、継続的に支援することが可能です。

 

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