難民の審査の状況

代表者ブログ

「入管法改正案」 成立を断念

少し古い話になりますが、2021年5月18日、与党は、外国人の入管施設での長期収容を防ぐ等の目的の「入管法改正案」の先の国会での成立を断念しました。

 

<改正案のポイント>

1. 難民認定を3回以上申請した外国人の強制送還を可能に

2. 収容施設に入らず支援団体や親族のもとで生活できる「管理措置」を新設

3. 難民に準じて保護すべき外国人を「補完的保護在留者」として在留資格を認める

 

今回は、特に1番目の3回以上難民申請した外国人が不許可になった場合、母国に強制送還ができる点が「人権擁護」の面で議論の対象になりました。

現行の制度では、難民申請して審査中は強制送還されなく、さらに何回も難民申請ができるので、母国に強制送還されることはほとんどありません。

また、2010年から難民申請後6ヶ月後には就労を認めています。*就労目的の難民申請が増えたので2018年に制限を加えています。

今回、与党が成立を見送ったのは、政府の「コロナ対策:ワクチン接種の遅れなど」や「政治家のモラル」の問題で、ここで強行採決を行うと更に内閣支持率が低下し、東京都議選やその後の衆議院選挙に影響があるとの判断があると報道されています。

また、3月に起きた名古屋入管のスリランカ女性の死亡事案の影響(法務省の説明不足、野党の追及など)もあります。

 

難民認定の各国の状況

次表に示すように、日本は極端に難民を認めない国です(2019年の状況)。

なぜ、日本は難民を認めないのか?

・「移民」を受付けない日本人の気持ち(風土)*国民、政府共に

・外国人の受入れ体制ができていない、特に日本語教育

・外国人の増加に対して入管業務が追いついていない

・緩和すると五月雨式に外国人が増えてしまう

などが上げられます。

 

<難民申請の4つのタイプ>

1. 政治的迫害等で母国から逃れた高学歴な外国人

大学・大学院卒で医師や弁護士もいます。

2. 武力や迫害からの脱出。トルコからのクルド人、ミャンマーの軍事政権の弾圧からの逃れなど。

この2つの理由は、認めても良いように思えますが、その相手国との関係があり、政治的な面で認めにくい点もあると思います。

3. 日本で職を失った、退学したなどで在留資格を失って難民申請

この理由は認められないと判断する方は多いと思いますが、職を失った、就職できない、退学したなどの原因として日本の企業や学校の問題が起因していて、外国人が犠牲者になっている場合が多くあると推察しています。

4. 就労目的で観光などの短期ビザで来日し、その後に難民申請。

このケースは、制度的に防ぐ手段が必要かと思います。

 

当社への相談

当社には、まだ在留期間は残っているが、会社を辞めたり、退学したりして、実質的に在留資格を失っている方が多く相談に来られます。

個別の案件毎に対応が異なりますが、考えられる対応策を提示し、場合によっては一緒に入管に出向いて相談を行うこともあります。先に述べたように、退職、就職できない、退学などは、日本の会社、学校の起因が多く、何とか救ってあげたい気持ちはありますが、法律・制度的に厳しいものがあります。

外国の方には、「日本にいたい気持ちはわかるが、法律を犯して不法滞在にはならないように」、「まだ若いので、一度母国に帰っても、勉強して、また日本に来ることもできる」と話しています。

 

 

 

 

 

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