外国人材に日本がフラれる日

就労ビザ申請

慢性的な人手不足

日本は少子高齢化の影響で「働ける日本人」が減少していて、今後も継続的に人手不足の状況が続きます。

人手不足として次の3つのケースが考えられます。

(1)現場の作業員が集まらない

*高校卒業の就職者は、「1990年:約60万人」が「2020年:約18万人」、3割になっています

(2)中小企業では、技術者(IT、設計など)や営業企画職が集まらない

*大学卒の日本人は大手企業に就職し、地方の中小企業では採用が難しい

(3)経営の承継者がいない

*経営者の高齢化、事業の将来性の不安等で後継者が決まっていない会社が多くあります

 

人手不足対策としての外国人材

 

人手不足を改善するために外国人材の活用を行っている企業、これから検討を行う企業が増えています。先の(1)の現場作業者が多いですが、(2)の高度人材も増えています。

 

今後も外国人材が日本に来るのか

現時点では、日本に来て働きたい外国人は多くいますが、今後は分かりません。

外国人材が日本に来なくなる理由としては次の2点が考えられます。

(1)自国の経済が発展し、自国内で働いて得る収入で満足できる

(2)日本より待遇が良い国に行く

 

(1)自国の経済成長

中国がこれに当てはまります。日本が技能実習生制度を開始した時は、実習生の人数は圧倒的に中国が多い状態でした。

中国の経済が発展し、自国でもある程度の収入が得られたら、日本に来る技能実習生は減少に転じました。目安として、1人当たりのGDPが「7,000ドル(約77万円)」を超えると海外への出稼ぎが減るとのことです。これを示したのが次の図です。(日本経済新聞2021年8月17日記載記事から抜粋)

中国に代わりベトナム、いつまで?

現在の技能実習生はベトナムからが半数以上を占めています。現在、コロナ禍で日本への入国が制限されていますが、入国ができる状態になれば、人材が必要な企業によるベトナムの技能実習生の取り合いが生じる可能性があります。(図は日本経済新聞2021年8月17日記載記事から抜粋) 

 2020のベトナムのGDPは「約2,800ドル」ですが、2030年代初めに「7,000ドル」を超えて、外国への出稼ぎが減る可能性があります。

技能実習の監理団体では、ベトナム以外の国からの採用を検討しているところも出ています。対象国の人口や経済状態を考えると、インドネシア、カンボジアなどが有力かと思います。ミャンマーはベトナムに次ぐ可能性がありましたが政治的な不安の面があり当面は見送られる可能性があります。

 

(2)日本ではなく他国に行く、中国の動向!

現在、東南アジアの方は日本以外に中東、台湾、韓国に多く働きに出ています。英語ができる例えばフィリピン人はカナダやオーストラリアなどの英語圏で働いている方もいます。

一昔前は、東南アジアの方はまず日本で働くことや留学することを検討していましたが、現在は、収入、待遇などの面で日本の優位性がなくなってきつつあります。介護では、台湾や韓国の方が収入面では良くなっているとの話があります。

外国人の確保に関しては、今後、中国の動向に注視する必要があります。中国も2013年から生産年齢人口が減少し、工場などでの労働力不足が目立ってきています。遅くとも2025年以降は外国人労働者を中国と奪い合うことになる可能性があります。

日本が賃金や待遇の面で中国に劣ると、外国人材は中国に流れ、日本の人手不足対策として「外国人材への依存」の見直しが必要になります。

 

 

今後の外国人材の活用について   

最近、入管への申請を行っている中で、以前には認められなかったと思われるケースが認められました。

一つは、電気工事の施工メーカーに「施工管理」として、外国人2名(電気系の大学卒業生)の「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を認めて頂きました。会社としては従業員5名程度、仕事内容は簡単にはできない(専門性、実務経験)もの、日本人でも覚えるのが大変で、日本語能力が不十分(N3、N2)で、許可が得られるかは半信半疑のものでした。対象の会社の社長は、日本人にない積極性、取組み姿勢で、目つきも良いとのことで、業務の遂行には問題ないとおっしゃっていました。現在、働き始めていますので、どれだけ仕事を覚えて戦力になるか、定期的に様子を伺っていきます。

もう一つは、コンビニで正社員として2人の採用です。これまでは、アルバイト生(専門学校)が正社員としてコンビニで働くことはなかなか認めて頂けませんでした。今回は、コンビニ数店舗を運営している株式会社の社長と将来の事業構想を検討し、その中で外国人材の必要性を定義付けたことにより、許可を頂いたと考えています。

上記の両社とも「事業計画の中での外国人材採用」を明確にして取り組んでいることです。単に人手不足ということだけで外国人を雇用することは、いずれ行き詰まることになると考えています。会社の外国人材に取り組む姿勢(育てる姿勢)を明確にして、「共生」の理念で、会社全体が外国人材と接することで、外国人材と雇用する企業の両方が良い結果になると思います。

これにより、失踪や転職を減らし、防ぐことができるようになると思っています。

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