技能実習制度の見直し検討

技能実習

2022年7月29日に法務大臣が「技能実習制度」に関して、「制度の理念と実態にズレがある」とのことで、制度の見直しに言及しています。

この前提として、2022年2月から11回にわたって学者やNPO関係者を呼んで勉強会を行っています。

 

勉強会での指摘内容

法務大臣の勉強会で示された主な指摘事項を示します。

1 国際貢献の目的と、人手不足を補う労働力として扱っている実態が乖離

2 実習生の日本語能力が不十分で意思疎通が困難な例も

3 不当に高額な借金を背負って来日

4 原則、転籍ができず不当な扱いを受けても相談・交渉できない

企業の不正行為についてはこちらに記載

 

技能実習制度とは

制定の目的:日本の技術・技能を習得し、帰国後に母国の経済発展を担う「人づくり」に寄与する。

創設:1993年 *約30年の歴史がある

職種:約80の職種で最長5年間実習できる(働ける)

*2019年に在留資格「特定技能」が創設され、技能実習を終えた後にさらに日本に残って就労できるようになった。

人数:2021年末時点で「約27万6,000人」、新型コロナウィルスを受けた入国制限で2019年末の「約41万人」から大幅に減少。2022年3月の受入れ緩和により来日が増えている。

★技能実習法では「労働力需給の調整手段として行われてはならない」と定めていますが、実際には人手不足が深刻な建設、製造、農業などで受け入れが拡大しています。

 

問題の改善に向けた動き

企業の不正行為に関しては、労働監督署(厚生労働省)と出入国在留管理庁(入管・法務省)および技能実習機構などが連携して、賃金・残業手当の未払い、長時間残業、不当な管理費の徴収などについて、各機関が連携して、監視や取り締まりを行っています。

監理団体の許可取消も

岡山市の建設会社で働いていたベトナム人技能実習生の男性(41歳)が、日本人従業員による暴行の被害を訴えている問題で、法務省と厚生労働省は、技能実習適正化法に基づき、受け入れを仲介した「事業協同組合」の技能実習の監理団体の許可を取り消しました。実習先(建設会社)を指導すべき立場にありながら適切に対応しなかったことによります。

高額な仲介手数料への対応

国際協力機構(JICA)は、技能実習生の最大の送出し国であるベトナム政府と協力し、日本の求人情報を提供する専用サイトを開設すると発表しています。2023年度に試行し、2024年度に本格導入を行うとのことです。日本経済新聞(2022年7月29日)に掲載されていたシステムのイメージを示します。

 

良い話題も

2022年5月5日の日本経済新聞に「第1号の介護の技能実習生(中国)が、苦節4年、介護福祉士国家試験に合格」との小さい記事が掲載されていました。技能実習の後に「特定技能1号」に移行し、長年働きながら勉強し、その結果、合格されました。「介護福祉士」の資格を取得することで、在留資格「介護」を取得することができ、これにより、永住への道が開けます。

人材不足が深刻な介護業界にとって、外国人材の活用の面で明るい話題です。

 

技能実習制度の今後

上記のように、法務省で技能実習制度の見直しが進められるとのことです。

当社でも、何回かの投稿記事で、技能実習制度の問題点を示しましたが、これは、ごく一部の悪質な雇用企業や仲介業者が引き起こしたもので、多くの技能実習生や採用企業は法律に則って適切な運用をしていると考えています。

ただし、冒頭に示したように、「制度の理念と実態にズレ」があることは事実と思います。技能実習生を雇っている多くの企業は「人手不足・人件費抑制」が目的であると思います。また、技能実習生がいなければ、生産活動が止まってしまうのも現実で、コロナ禍で技能実習生が入国できなかった企業や農家は収益面で大きな影響を受けています。

これらの現実をよく把握されて、技能実習生(名称は変わるかもしれません)と採用する企業・農家等がお互いに利益を得る制度の構築を目指して頂きたいと考えています。技能実習制度は創設から約30年間運用され、社会の中に組み込まれている中で、拙速な大幅な制度見直しは、社会・経済活動に混乱が生じると思います。

 

当社の技能実習の取組み

当社の関連機関として「アシスト国際事業協同組合」があり、技能実習生を必要な企業に送り出しと管理を行っています。

現在、約300人の実習生を支援しています。

 ・技能実習制度の採用を検討されている企業

 ・現在の監理団体(組合)に不満を持たれている企業

ご相談を承ります。

アシスト交際事業協同組合のホームページはこちら

当社のメンバーが理事と監事を務めています。

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