日本の人口の減少、特に労働人口の減少により、人手不足に陥り経営の存続が危ぶまれている企業が多くあります。
当事務所にも、人手不足の面で「外国人を雇いたい」という相談が増えてきています。
「既に契約している」ので、「何とか許可を早く取って欲しい」という急な話もあります。
検討されている企業が入国管理法やそれに関係する規則等の知識・理解があれば問題の発生は少ないのですが、間に入っている紹介者などの話を信じて進めて、いざ申請の段階になって要件を満たしていないことがわかり、慌てて相談に来られる場合もあります。
ここでは、幾つかのケースについて紹介しますが、外国人の採用を検討する際は、まずは、当事務所に相談願います。
可能性について、次の手続きなどについてアドバイスさせて頂きます。
法律を犯すことになると、外国人本人だけでなく、採用した企業にも罰則が適用されます。
単純労働に従事できる方は限られる
製造現場、建設現場、販売の現場で働ける外国人は次に示す方々です。
① 技能実習生
本来の目的は、「日本に来て技能を習得し本国に戻って産業の発展のために貢献する」ことで、日本の労働力不足を補うためではありません。
ただし、企業の労働力不足の緩和には寄与していることは事実です。
ある会社でお話を聞いたら、「日本の派遣社員は3日で辞めるが、技能実習生は3年間働いてくれるので戦力として考えられる」とのお話がありました。
ただし、この制度には、外国人本人、受入企業、仲介組織などで様々な問題が発生しています。
いかに、外国人、受入企業、全てが適正な利点が得られるようになることを願っています。
② 特定活動として認められている場合
建設業の人手不足の対策のため、技能実習を終了した方に特例で2~3年の就労が認められています。
また、海外にある製造工場で働く方を将来の現場でのリーダーになるための教育として、最大1年間、日本の親会社で働くことができます。
③ 留学生のアルバイト *家族滞在ビザの取得者も同じ
留学生が「資格外活動許可」を取得すれば、週28時間まで就労は可能になります。
コンビニや居酒屋の店員に多く見られます。
長期休暇では、制限時間が緩和されていますが、あくまでも留学生は「勉学」が主体で、就労してお金を得ることが目的ではありません。
④ 永住者、日本人の配偶者等の身分系
永住者、定住者、日本人の配偶者等の身分系の在留資格(ビザ)を取得されている方は、就労に関する制限はありません。
大学卒の採用は、学んだ内容と実施業務の関連性
海外の大学等を修了して日本で働く場合、あるいは留学で日本の大学等を修了した場合、日本で働くには、通常「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザを取得します。
このビザを取得するためには、大学等で学んだ内容と就職先の企業での実施業務の関係が問われます。
企業側にとっては、学んだことを活かせる業務を与えているかが問われ、製造現場・建設現場での作業員としては採用できません。
当然、申請時に「設計・開発や通訳・貿易業務など」で申請し、許可を受けた後に現場で単純労働をさせることは法律違反になり、企業側も罰せられます。
いくら外国人が同意や自ら希望しても絶対に実施してはいけません。
このルールを知ってか知らないかはわかりませんが、大学卒業者を単純労働として雇いたいという依頼が入ってきます。
入国管理の審査では、「外国人が希望している」「入ってもらわないと会社が倒産する」といったことは全く通用しません。
外国人の受入は、不法就労や偽装結婚などがあるため、厳密な審査がされます。
基本的には法に則ったことしか認められませんので、外国人を雇いたいと考えた場合は、まずは当事務所にご相談願います。
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